平屋住宅で失敗しないためには

注文住宅を新築する際、あえて平屋(1階建て)住宅にする方もいます。バリアフリーになる点や外壁、屋根のメンテナンスの容易性などよい点もたくさんありますが、やり方を間違えるとせっかくの家づくりに失敗してしまいます。

平屋住宅には不向きな土地がある
・狭小地  
平屋住宅を建てるにはそれなりの広さの土地が必要になります。狭小地に無理をして建てると南側隣家の影がこちらの建物にかかってしまい、採光の確保が難しくなります。
それを解消するために中庭形式にしても、中庭にもそれなりの広さが必要となります。狭い中庭では今度は、自分の家の影が中庭を挟んだ奥の部屋に差しこんできます。また、周辺住宅とあまり距離が近いと、近隣の2階窓からこちら側が丸見えになる場合もあります。
・低い場所にある土地
台風や大雨の時、時として地域一帯が洪水被害に遭ってしまう場所もあります。そこに平屋住宅を建ててしまうと、万が一の場合逃げ場を失う事になります。
・更なる防犯対策が必要
平屋住宅の場合、全ての開口部が地盤面から近いため、窓などからの侵入が容易になります。2階にある寝室なら窓を開け放したまま眠ることが可能でも、平屋で同じことはできなくなります。周囲の目が届きにくい場所に開口部がある場合、面格子の設置や開口部を小さくするなどの工夫が必要となります。
・家族構成によるプランの違い
家族構成によっては、プライバシーの確保が難しい場合もあります。夫婦2人住まいの場合、オープンなプランで問題がなくとも、夫婦と子供、またはそれ以上の家族構成の場合、あまりにオープンだと子供が成長した時や、祖父母が寝付いたときなどに住みにくい家になることもあります。それぞれのプライバシーを尊重しつつ、平屋住宅のメリットを享受しようとする時、やはりある程度の広さの土地が必要となります。
・床面積の増大に注意
注文住宅といえども、要望を取り入れすぎてあちこちに部屋を伸ばしてしまうと、生活動線が長くなります。リビングやキッチンの付近にトイレや洗面、浴室を配置したものの、寝室はそこから離れた位置にあるという場合、トイレがもう一つ必要となります。同じフロアーにトイレが2つある事により、設備工事やメンテナンスのコストが増大します。

平屋住宅も土地の形状や家族構成によって、向き不向きがあります。しかし家族構成の変化に伴いリフォームする際、2階建てから平屋に減築するケースもあります。建物の高さや重量を減らすことにより、耐震性の向上を図ることも可能です。